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成育すこやかジャーナル No.21(2004/7/15)より |
耳鼻咽喉科 |
第二専門診療部 耳鼻咽喉科医長 泰地 秀信 |
皮膚科 |
第二専門診療部 皮膚科医長 佐々木 りか子 |
看護部 |
外来看護師長 樫原 恵子 |
| 耳鼻科の疾患 |
| <国立成育医療センター 第二専門診療部 耳鼻咽喉科医長 泰地 秀信> |
| 夏は中耳炎・鼻出血など耳鼻科の疾患は比較的少ないのですが、子供で夏期に気
をつけたいことをいくつかあげてみます。 |
| 1.プールの前に |
| 夏には学校の水泳指導などプールが始まりますが、その前に耳あかをとっておきましょう。耳あかをそのままにして泳ぐと、耳あかがふやけて外耳道炎になりひどくなるとおできになることがあります。耳あかにはかさかさのタイプ(乾性耳垢)と、ベトベトのタイプ(湿性耳垢)がありますが、前者であれば耳掻きを後者であれば綿棒を用いてとります。耳掻きは先端から1cm以上は深くいれないようにします。鼓膜に穿孔があったり、チューブ留置術を行っていて泳ぐ場合には、耳せんが必要です。 |
| 2.夏の花粉症 |
| 夏に遠足や川原に遊びに行った後から急に目がはれて、くしゃみ・鼻水が出るような場合は、夏の草による花粉症が疑われます。夏(6〜8月)の花粉症はイネ科の花粉が代表的で、カモガヤ、オオアワガエリ(チモシー)などがあります。いずれもどこにでもある雑草で、これらの花粉の飛ぶ距離は短いので、まわりの草刈りも有効な対策です。花粉症の原因としてはスギ花粉が最も多いのですが、スギ花粉症は少なくイネ科の花粉症が多い北海道のような地域もあります。 |
| 3.急に喉が痛くなって高熱が出たら |
| 夏場に重症の咽頭炎が起こることがあり、代表的なものにプール熱(咽頭結膜熱)やヘルパンギーナがあります。プール熱はアデノウイルスによる感染症で、39度前後の高熱や目の充血、のどの痛みが4〜5日続きます。幼児に多く、タオル・衣類やプールの水からうつることからプール熱と呼ばれます。例年は夏に多いのですが、昨秋より冬から春にかけても多くみられており、本年夏の発生が心配されています。ヘルパンギーナも幼児に多く(1歳時が最多)、突然に熱とのどの痛みが現れます。軟口蓋粘膜の水疱や潰瘍が特徴で、コクサッキーウイルスなどが原因です。 |
| 4.虫さされ |
| 夏場は昆虫による咬刺傷にも気をつけたいところです。赤ちゃんの皮膚は柔らかく、虫さされでかなり腫れることも多いので、突然に赤ちゃんの顔や耳などが赤く腫れあがったら虫さされも考えておくべきです。じん麻疹と思っていたらチャドクガの毛が風で飛んできていたということもありますので、家のまわりにツバキやサザンカがある場合は注意が必要です。耳の中に虫が入ったということもありますが、これで光を当てたら出てくるというのは誤りです(耳の中では虫はまず方向を変えられない)。このようなときはとりあえず耳の中に油(オリーブオイルなど)を流しこんで、虫の動きを封じて下さい。それから耳鼻咽喉科で虫を除去してもらいましょう。 |
| 皮膚科の病気 |
| <国立成育医療センター 第二専門診療部 皮膚科医長 佐々木 りか子> |
| こどもの日焼け―日焼け止めの使い方 |
| 最近、育児雑誌を読むと「赤ちゃんのうちから日焼けを防がないと、皮膚ガンになる!」と書いてあります。それを読んでむやみに心配しているお母さんもあるでしょう。赤ちゃんを含めて小さいこどもさんには、どんな日焼け止めを選んであげて、どんな使い方をすればいいのでしょうか。また、それだけを塗ったら安心なのでしょうか? |
| 大切なことは、やけどをさせないこと |
| 一番大切なことは、急に、赤くて痛い、あるいは水ぶくれができるほどの日焼けつまりやけどをさせないことです。赤ちゃんの皮膚は、まだ大人ほどにメラニン色素が豊富ではありませんから、今の季節にいきなり肌を露出させて外へ出てしまったら、ひどい日焼けを起こしてしまいます。 |
| 日常の注意 |
| 逆に日焼け止めを塗ったら安心ということはありません。 大切なことは外出するときには (1)帽子、衣服で肌を日光にさらさないようにする。 (2)日陰を選ぶ。 (3)真昼はなるべく外出をしない。 これらのことは、熱中症にもならないための注意と同じです。水分摂取も忘れずに。 |
| 日焼け止めの選び方 |
| (1)低刺激性製品を選ぶ(まず、耳の後ろに塗ってかぶれないか試すとよい)。 (2)SPF20、PA++あればよい(海外の海などではSPF30以上)。 (3)クリーム、ローション、スプレー、ティッシュなどのタイプがありますが、 塗ったところがわかりやすいクリームやローションがよい。 |
| その使い方 |
| (1)汗で落ちたら、塗り替えが必要(2時間おきが目安)。 (2)まぶたや口のまわりにもつけて大丈夫。 (3)薬を塗っているこどもさんには、薬の上からつける。 (4)外で塗り替えるときには、水道水で汚れや汗を流してからか、きれいな ぬれたタオルで拭いてからがよいでしょう。 (5)帰宅したら、よく石鹸で洗い流す(日焼け止めにより1回の洗浄では落ち にくいものもあるので注意)。 |
| 夏バテ防止対策 |
| <国立成育医療センター 外来看護師長 樫原 恵子> |
| 日本の夏の平均気温は30年前に比べると5℃以上高くなっているそうです。
「自然が一番」とは言っても高湿・高温を気力で乗り切ることは無理な話・・でもちょっとした工夫をして夏を健康にそして元気に過ごしましょう。 ここでは、「夏バテ」防止対策と「子どもの夏かぜ」の症状と注意点についてあげてみました。「夏バテ」という正式病名はありませんが日本の夏は厳しく、暑さで体のバランスを崩す人が多く見られます。暑くて眠れない、食欲がない、元気が出ない、だるい・・・・・大人だけではなく、お子様にとっても大問題です。 |
| 1.水分を充分とること |
暑い中夢中になって遊ぶと脱水気味になったり、ぐったりしてしまう事があります。こまめに水分補給をしてあげましょう。かいた汗の補充が必要です。ただし甘い飲み物を摂りすぎると食欲をなくす事もあります。又スポーツドリンクはかなり糖分が含まれているので要注意です。麦茶やお水が一番!ただし冷たすぎるとおなかをこわしますので冷やし過ぎないようにしましょう。 |
| 2.食事をしっかりとりましょう。 |
| アイスクリームやゼリーなどカロリーが高いばかりで栄養価の低いものは肝心の食事時間におなかがすかずにご飯が食べられません。又さっぱりしたそうめんなど、炭水化物に偏りがちな食生活でも必要な栄養素が摂れず、疲れやすくなります。汗で出た塩分の補給やビタミン、たんぱく質を充分摂りましょう。夏の気候はビタミンB1を普段の3倍も消費します。色の濃い野菜を意識して食事のメニューに入れてください。 |
| 3.自然の環境を大切にし、冷房や扇風機は効果的に使いましょう。 |
| 庭やベランダに打ち水をして涼しい風をいれたり、風鈴の音で涼しさを感じたり、自然の環境で過ごす工夫も大切です。エアコン・扇風機を使う時は冷風が直接あたらないようにしましょう。扇風機で風の流れを作りあまり室温を下げず快適に過ごす工夫をしてみてください。外気温との差は5℃以内が良いとされています。就寝時はドライ機能(26℃〜28℃)にしたり、タイマー設定(就寝後1時間くらいが適当)をしましょう。室内と外気の温度差が激しいと体の体温調節機能がついていけなくなり夏バテの原因となります。 |
| 4.外遊び・外出時の工夫 |
| 日差しの強い時間帯の外遊びは控え、外出時には帽子をかぶり、なるべく日陰を選んで遊ばせましょう。又水分補給も忘れずに!反対に冷房の強い電車や、スーパーに出かけるときは、カーディガンやバスタオルを持参して体温調節をしてあげましょう。赤ちゃんや小さなお子様はご家族の細やかな配慮が必要です。 |
| 子どもの夏かぜ 「予防は手洗い・うがいが基本です!! |
| (プール熱) |
| 咽頭結膜熱ともいわれ39℃程度の高熱.咽頭の痛み、結膜炎の症状が有ります。高熱・咽頭通で食欲が落ちますので、水分を充分摂って脱水に気をつけて下さい。プールで使うタオルからも感染します。プール熱にかかったお子様とご家族のタオルは別にしましょう。プールに入ったらくれぐれも目を洗い、うがいをしましょう。 |
| (ヘルパンギーナ) |
| のどに赤い小さな発疹ができます。それが水疱となり破れて潰瘍となります。38℃以上の熱が平均3日間続きます。潰瘍による喉の痛み、つばも飲み込めず、食事もおっくうになりがち。脱水にならないように注意して、食べられるものを与えましょう。喉が痛いときは軟らかい物や、つるつると飲み込める食べものを選びましょう。ただし冷たいと喉にしみて食べられません。室温と同じ程度にしてあげてください。 |
| (手足口病) |
| 手のひらや足底、口に痛みのない水泡ができます。指から肘、足から腰のあたりまで発疹する事があります。熱は37℃〜38℃くらい。口内炎もできますが普通に食事を食べられる程度が大半です。口の中を清潔にして、食欲をおとさないように水分補給に注意をして症状の軽減を待ちましょう。 |
| 夏バテや夏かぜに負けず、夏を元気に乗り切りましょう。 |